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ロマサガ-ミンスト の プレイ日記とか二次創作とか
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(一昔前にmixiに載せたものを転載しました)

「不幸を呼ぶ女」

少女は言う。

「貴方を見ると悲しいことを思い出すわ。
 ある海賊の話。
 その人は若い頃、勇猛で残虐な海賊だった。
 でも、歳をとってから罪を悔い、自分のために孤児になった子を集めて、育て始めたの。

 そしてその子達は、
 成長して、その人に復讐したの。」


○以上、ゲーム内の登場人物、「シェリル」の喋る話の一つ。


 貴方は、自分が死ぬ時のことを考えたことがありますか?
 その時は、とても痛いでしょう。 とても。
 絶望するのでしょう。 死ぬことの原因を、憎むのでしょう。 自分が死ぬことに対し、理不尽さに叫ぶのでしょう。
 自分の未来がなくなることが、信じられないでしょう。 死ぬ間際に、好きな人の事を考えるかもしれません。 死ぬ間際に、自分の中でとても大きい後悔の事を考えるかもしれません。
 そして、数秒後、貴方は意識ごと、存在ごと、消えてなくなるのです。
 それも、「死ぬ」ことが分かるなら、まだ救いです。 死ぬことすら覚知できずに死ぬなんて、俺は耐えられません。

 殺すということは、自分の意思で、相手が死ぬということ。
 相手は、痛がり、絶望し、私を憎み・・・
 数秒後、「死ぬ」わけです。
 もし貴方が死にたくないのならば、「殺す」ということは大きな悪です。 貴方が死にたくないのなら、多分相手も死にたくないのでしょうから。

 そして海賊は、罪を悔い、孤児を育てます。

 子供にとって、理屈なんてありません。
 僕を育てた人が、僕の親を殺したんだ。
 僕の親は、殺されたんだ。
 許せない。
 僕の親がそうされたように、殺してやる。
 子供にとって、理屈なんてありません。
 あるのは、親が殺されたという憎い事実だけ。

 元海賊は、死ぬ時、どういうことを考えたのでしょうか。
 自分を殺す子供達を見て、「殺していた自分の若い時代」を思い出したのでしょうか。
 死ぬ怖さを味わったのでしょうか。

 俺は、少し違うと思います。
 贖罪をするものにとって、結果なんてものは些事なんです。
 贖罪をするということが、贖罪につながるのですから。
 自分に出来ることをやったということが、死に行く彼にとって、一つの「行い」だったんじゃないかと思います。
 だからこそ、「後悔する死」ではないのではないかと・・・

 ただ一つ、自分が育てた子供達が殺したという事実に、「自分が」育てたという観点から、それと子供達にとって殺すということがこれからどういう影響を与えるかというところから、
 悲しい思いはしたのではないかと思います。

 たしかに悲しい話。
 でも、贖罪をした事に関して、俺は敬意を表します。



 少女は、「自分に関わった人が不幸になる」と言いました。
 なので、その元海賊当人から話を聞いたんじゃないかと想像できます。 もともと、少女は酒場で働いてるわけですし。
 少女は、贖罪をしている男の表情を見たのでしょう。 おそらく、その顔は活きていたのではないでしょうか。
 少女は、殺された男の顔を見たのでしょう。 どういう表情をしていたのでしょうか。
 安らいだ表情をしていても、悲しむ表情をしていても、それは少女にとって悲しいのでしょう。

 あくまでゲームなんですが、たかがゲームと思わせないエピソードを入れるミンサガが大好きです。
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